今週(2月28日~3月6日)予定日とされる牝馬たち
産駒が続々と誕生しています。
まず、2月21日にノーザンホースパークさんのSNSにて、ルージュバックの2022(牝)が1月31日に誕生していたとの投稿がありました。黒鹿毛の綺麗な仔ですね。ゆくゆくはクラブにて募集されることでしょう。
また、矢野牧場さんのホームページにて、プレザントブリーズの2022(牝)が2月22日に誕生していたと投稿されていました。本記事で紹介しようとしていた1頭でしたが、予定日より1週間早く誕生したようですね。健やかな成長を祈っています。
では今週も13頭の紹介です。
2月28日 レッドストーリア
3月1日 セレブレーション ディアマイダーリン プレザントブリーズ
3月2日 タイムトラベリング モーニングコール レッドラフィーネ
レッドストーリアは現役時代2勝で、母の全妹Bethrahがアイルランド1000ギニーを勝っています。きょうだいの多くが勝ち上がっておりこれだけでも牝系の優秀さが分かりますが、2代母の全姉がフランスG1馬レーヴドスカーであることからもそれはうかがえます。レーヴドスカーの産駒は阪神JF勝馬のレーヴディソールを含めて重賞馬3頭、重賞好走馬2頭がいて全頭が勝ち上がる活躍ぶり。正しく良牝系ですね。
セレブレーションは未勝利でしたが、その牝系はアメリカ競馬の名馬を何頭も輩出してきた素晴らしい牝系です。始めて見た時驚きました。まず母の半兄がG1を4勝したヨハネスブルグ。その産駒のScat Daddyはアメリカ三冠馬Justifyを筆頭に活躍馬・種牡馬を世界中で輩出しました。次に2代母の半弟がTale of the Catで、初年度産駒がブレイク中のドレフォンの2代父にあたります。更に3代母の全妹の産駒がPulpitで、Tapitを筆頭に多数の活躍馬・種牡馬を送り出し、そのTapitが更に多くの活躍馬を出してその血を広げ続けています。これらと比べてしまうと日本での活躍馬はどうしても寂しく見えてしまいますが、甥にファルコンSを勝ったハッピーアワーがいますので楽しみです。
ディアマイダーリンは中央で2勝を挙げ重賞でも好走、船橋のクイーン賞勝利など芝ダート両方で活躍しました。その活躍も血統を見れば納得します。母の半姉が名牝ニキーヤで、その産駒にはあのゴールドアリュールとゴールスキーの兄弟、孫にソロルがいますし、別系統の孫にはマイルCS勝ち馬ペルシアンナイトがいます。サートゥルナーリアとの産駒は芝とダートどちら向きになるでしょうか。
プレザントブリーズは現役時代1勝。以前紹介したスターリーウインドの半姉にあたりますので、本馬もウインドインハーヘア牝系出身です。スターリーウインドの父がゼンノロブロイで本馬の父がマンハッタンカフェですので、厳密に言えば3/4同血という関係にありますね。これでウインドインハーヘア牝系は3頭目、いかにこの牝系が日本で発展しているかを実感します。産駒には萩ステークスを勝ってクラシックにも出走したプラチナヴォイスがおり牝馬より牡馬の方が活躍しているのが気になりますが、2022ちゃんには頑張って欲しいですね。
オリエンタルリリーは現役時代に3勝。母シーズインクルーデッドはアメリカG1で3着などがありましたが、繁殖牝馬としてとても優秀です。その産駒、つまり本馬の半弟には新潟大賞典勝ちのサンデーウィザードとダービー卿チャレンジカップ勝ちのヒーズインラブがいます。また、母の半妹の産駒に牝馬ながら2021年菊花賞で3着に入ったディヴァインラヴがおり、多くの活躍馬を輩出しています。
リアアントニアはBCジュベナイルフィリーズを制しカナダの最優秀2歳牝馬にも選ばれました。その産駒にはローズステークスなどを勝っているリアアメリアがいます。残念ながらデビューすることなく亡くなってしまった2018年に産まれた産駒は同年の当歳セレクトセールで最高額となるほど評価が高い馬だったようです。総じて見栄えが良く能力の高い産駒を産んでいる良い母なのではないかと感じていますし、姉に続く産駒を期待です。
タイムトラベリングは現役時代1勝でしたが、母としての優秀さと牝系の良さが目を引きます。産駒の多くが勝ち上がっており、中でもタイムフライヤーはG1昇格初年度のホープフルSを勝ち後にダート重賞を制する活躍ぶりです。先日訃報が届きましたが本馬の全兄タイムパラドックスと言えば2004年ジャパンカップダートを筆頭にダートG1を5勝した名ダート馬ですし、近親には1996年天皇賞春や有馬記念を制したサクラローレルがいます。
モーニングコールは現役時代に3勝。母ピースオブワールドは2002年阪神ジュベナイルフィリーズを制し最優秀2歳牝馬にも輝いた千代田牧場の名牝です。半弟Wolfeは何故か海外でデビューし重賞を制しているという不思議な経歴を持っていますね。更に、短距離馬として数々の記録を打ち立ててきたタイキシャトルとは3代母Muffitysを同牝祖に持つという関係の近親にあたり、牝系自体も魅力的な一頭です。
レッドラフィーネは中央未勝利ながら、園田で2勝をあげました。その牝系はというと、3代母ラスティックベルがフサイチエアデールとライプラス&フサイチリシャール親子やアドマイヤエイカンを輩出していることで有名でしたが、近年更に評価が高まりました。本馬の母はクロノロジストですので、全妹に2019年ヴィクトリアマイルと2020年香港カップなどを勝ったノームコア、半妹に牝馬初のグランプリ3連覇などを果たしたクロノジェネシスという今最もホットなファミリーと言っても過言ではないかもしれません。是非その血のポテンシャルが発揮されて欲しいと思います。
イストワールファムは現役時代に4勝。近代日本競馬で何頭もの活躍馬を送り続けてきた名牝系ことベガ牝系出身です。3代母ベガからはアドマイヤベガ、アドマイヤボス、アドマイヤドンが出ており、母ヒストリックレディの半妹には以前紹介した桜花賞馬ハープスターがいます。ベガ牝系からの新たなスター誕生を個人的には願ってやみません。
エストレチャダはアメリカG3勝ち馬。正直情報が多くないのですが、牝系を少し遡ってみると、アルゼンチンの重賞馬が何頭も並んでおり、その中には現地で種牡馬入りした馬もいるほどで、アルゼンチンでは有力なファミリー出身だと思われます。日本で新たな牝系を広げるきっかけになったら嬉しいですね。
キングスミールは未出走でしたが、母として優秀です。10頭の産駒がデビューしその内8頭も勝利を挙げており、重賞を好走した産駒もいます。近親も紫苑S勝ち馬のパッシングスルーを初め重賞で好走した馬が多く、そもそも2代母Over AllはアメリカG1を2勝している名牝という血統背景があります。2001年生まれで今年で21歳になりますので、無事の出産を特に願っています。
バラダガールは現役時代2勝。牝系、一族がとにかく優秀です。まず母バラダガセールはアルゼンチンの1000ギニーとオークスを勝った名牝。半弟に弥生賞勝ち等のサトノフラッグ、半妹に阪神JF・桜花賞2着でダービーにも挑戦し先日惜しくも引退が発表されたサトノレイナス。3代母も2代母の半姉もアルゼンチンG1馬とアルゼンチンを代表する名牝系なのでしょう。母としての活躍に期待せずにはいられません。
どうか無事でありますように。